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【第68号】業務アプリケーションの分類

DRI通信68号「業務アプリケーションの分類」 2002.5.1
新緑も半月ばかり早く来て、この先梅雨や夏がどうなるのかちょっと心配ですが、皆様お元気ですか。
UFJに限らずどこでも発生しうると、申し上げた矢先、みずほでさらに大きなトラブルが発生しました。
担当者の志気やトップの判断というより、システム構築技術アプローチ−暗黙知のまま自然言語だけで
コミュニケーションを行う−の限界を越えてシステムが肥大化したのが、根本原因のように見えます。
われわれは業務モデルを可視化して共有する方法論に解を求めていきたいと思います。よろしくお願いします。
■「はんぺん型」と「かまぼこ型」
私は66号でアプリケーションソフトは「はんぺん型」と「かまぼこ型」の2種に大別できるのではないか、
という仮説を提案しました。すなわち「はんぺん型」とはミドルウエアなどのシステムアプリで、
ユーザがデータ構造を意識しないもの、「かまぼこ型」とは販売物流や経理などの業務アプリで、
ユーザがデータ構造を意識するものです。かまぼこの板がデータ構造で、プログラムは板に縛られるため、
メンテ時、項目の追加には対応するが、削除は行わず、大規模化・複雑化の一途をたどり劣化します。


■データ構造図の横断的整理
今回はその業務アプリが、データ構造から見てどのように分類できるかを考えます。
そのきっかけは弊社の蓄積した、500点を越えるデータ構造図を横断的に整理することでした。
人事、経理など、どこにでもある共通アプリはさて置き、まずは業種を特徴づける基幹系のイベント系DB構造図を見ていきます。
これらはPLAN−DBによるTH図−われわれは勝手にER図の最も進化したものと称している−で書かれています。
これは、レイアウトルールとして「抽象的なエンティティを上に、具体的なエンティティを下に、また上流イベントを左に、
下流イベントを右に配列せよ」を規定しているため、レイアウトに個人差が出にくく、この整理がかなり効率的に行えました。
■業務アプリ6種
その結果、仮説レベルとは言え、業務アプリは次のように6種類に大分類できることが分かりました。
A.建設:見積−受注−建設計画−建設−検収
B.生産財製造業:受注−生産計画−生産−出荷
C.消費財製造業:販売計画−生産計画−生産−受注−引当−出荷
D.卸業:販売計画−仕入−受注−出荷
E.小売業:販売計画−手配−販売
F.サービス:契約−設定(工事/担保)−サービス−検収
各分類ごとのDB構造は、最大公約数的な簡単/抽象的なものですが、データ構造に関するコンサルタントの
暗黙知を形式知にしたことになり、迅速な業務理解にとって非常に有力な武器となります。
Aは、建設と名づけましたが、SI業やコンサル、また造船などプロジェクト業務を主体とする業種で、
後述する設備整備のアウトソースを請けるものです。
B−EはSCM・DCMに関わる業種で、バリューチェーンのどこを分担するかによって、分かれていると言えます。
Fは電力・通信・金融など、一般に設備が広域に存在する地域密着型の業種で、大規模設備投資を必要とするものが
多く含まれています。契約を前提にサービス量を計測しこれに応じた請求をするビジネスで、顧客や契約データの保守が
情報システムの課題となります。顧客の顔が見えているためCRMへの取り組みがすすんでいます。
■リソース整備軸
企業はこのように基幹系業務によって、A−Fの6種類に分類できるようですが、企業にはこのほかに、
次のようなリソース(経営資源)整備軸とも言うべき6種類の業務アプリケーションが含まれます。
1.人材調達・育成(人事)
2.市場開発・保守(CRM)
3.設備建設・保守
4.商品開発・改良(PDM・PLM)
5.資金調達・利殖(財務)
6.情報システム開発・保守
1、2、5、6はどの企業においても存在する重要な業務で、原則として自社で対応していますが、3は専門技術を必要とするため、
これを建設業(A)にアウトソースする場合が多々あります。4は特に、製造業(B、C)および小売業(E)の存続にかかわる
重要課題で、自社で対応せざるを得ませんが、PDM、PLMなどとして最近の大きな話題となっています。
また金融(F)などにおける6は他業種の3(設備)に相当するためアウトソースの傾向が強くなっています。
1ではES(Employee Satisfaction)、2ではCS(Customer Satisfaction)が言われ、人が対象なだけに
インセンティブが問題になるなど、多くの共通点を持ちます。
これら1−6は、非定常の戦略軸であり、プロジェクト体制で対応する課題です。またTH図では、
リソース系を左から社内、社外、品、勘定科目その他の順に並べると決めていますが、これは1−3−2−4−5と
並べることになります。また企業のリソースは人、物、金などと言われますが、これは1、4、5に相当します。
■ビジネスアプリケーション・ノウハウセミナー
このような業務アプリケーションについての形式知化は、まだ仮説の域を出ないものも多く含まれますが、
弊社ではそのDB図を次の10のビジネスアプリケーション・ノウハウセミナー(所要各約3時間)として紹介しております(PRで恐縮)。
各セミナーと上記分類との関係を付記します。
CN:建設・SI(工事管理)―A
PL:販売・生産計画―――――C―E
MF:生産管理――――――――B,C
SL:販売物流――――――――B―E
SV:契約管理――――――――F
CD:コード管理―――――――6
CR:CRM―――――――――2
PC:購買・EC―――――――A−E,3
FI:経理――――――――――5ほか
HR:人事――――――――――1
なお、弊社内でのオープンコースは、業務モデリングに関するチュートリアルとともに開催しております。
また出前のオンサイトコースも実施しております。SI業のベテランで営業を担当される方、
また若手でプロジェクトに際し業務知識を必要とされる方などに、ご活用頂けるものと考えております。