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【第36号】イントラ統合とインター統合

DRI通信36号 「イントラ統合とインター統合」 1999.9.1
久しぶりに夏らしい夏、期待していたのですが、丹沢湖の事故と同じときに山
に出かけたのが運悪く、2610mの千枚小屋まで行って雨のなか、ずぶぬれにな
って帰ってきただけでした。皆さんの夏休みはいかがでしたか。
先月は、データベース・アーキテクチャを論じたのですが、コンサルタント
戸田忠良様,NTT東日本横山様、アプリ本吉様からコメントをいただきました。
紙面の都合から、戸田様のコメントの一部の紹介させて頂きます。
■戸田忠良様より
…最近、通産省が産業構造審議会で情報処理技術者の分類を変えると発表しまし
た。「ユーザー側には、CSO(Chief Strategy Officer)という経営戦略の責
任者を置くべき、またベンダー側では「ITコーディネータ」と称する経営や
業務とITをつなぐ技術者が必要」としています。…今回の答申には、日本の
企業が情報技術を適切に取り入れないと、米国に完全に置いていかれるという
危機感が出ています。
そのような文脈で今回の論考を見ますと、まさに、ITコーディネータが必要
とする「データベース論」を論じられていると感じました。つまり、経営や業
務を論じるためのデータベース論が有り得るということです。


現在のソフトウェア工学の限界は、その議論が結局、「プログラムを作るため」
というスコープでしか行われないということです。ですから、論理モデルの議
論が現場では必要とされません。それは、作られるプログラムは常に物理的な
ものであり、論理モデルの必要性は、精々、プログラムの再利用のためでしか
ないからです。
…これまでの議論は、「コンピュータを利用した情報処理システムに必要なデー
タの問題」という限定があったのですが、この議論の範囲をコンピュータを使
わない分野にまで広げることが求められているのです。そうでないと、経営シ
ステムや業務システムの議論はできないからです。
このような認識に立つと、「データベース・アーキテクチャ」の3つの階層
(DBt、DBo、DBp)は、電子記憶媒体以外の媒体のデータベースも包
含できるモデルになっていると思います。つまり、我々が持つ知識をコンピュ
ータでより広範囲に取扱うためにも、プログラム作りというスコープを超えた
データベース論議が絶対に必要と思います。
そして、データベースに限らず、多くの分野で「プログラム作成のため」とい
う枠を超えた議論が求められていると思います。もし、そのような軸での議論
の進展がないとすれば、システム屋が経営や業務に口を挟む意味が無くなるか
らです。 以上
■イントラ統合とインター統合
さて今回は、統合についての二つのアプローチについて、イントラ統合とイン
ター統合として述べてみたいと考えます。
イントラ統合とは、いつもわれわれがデータモデリングとしてやっているデー
タの統合です。多くは特定のアプリケーションについての全データを分析整理
して、整合性と自由な流通を保証します。全データが個人差なく概念DB構造
図上に明示され、形式知となります。
インター統合とは、既存システムやパッケージ間を接続するいわばルーズな
「後付け」統合です。相手システムの全貌は見ることなく暗黙知として残し、
関わりのあるデータについてのみ調整を行います。おそらく、問い合せ、発注、
受注、請求、支払と言ったごく限られたイベント(ご意見ください)における
関わりが前提となります。ちょうど片言英語での旅行者が、限られた内容しか
会話しないようなものです。
■DOAとOOA
イントラ統合にはPLAN−DBのDOAが非常に有効でした。インター統合
においてもリソース(ただし基幹部分)の共用が前提となりますので、PLAN
−DB手法が有効ですが、若干攻め方を変える必要があります。基本的には外
部と関わるイベントを選択しそのインターフェースの分析を行います。この場合、
リソースの一致する範囲を示すサブタイプ条件の判定がポイントになります。
内部のデータに関しては、たとえ冗長データがあっても関知しませんので
OOA的な見方となります。
■どう棲み分けるか
イントラとインターは共存し、棲み分けることになります。基本的には自社開
発のアプリはイントラ、パッケージや企業間はインターとなりますが、その中
間、企業内の事業部間などは議論の多いところとなります。企業の規模、事業
特性、文化、パッケージなどのシステム環境、DAの力などにより決める事に
なります。
イントラはシステムの全貌をつかみ完全にコントロールできますので、ニーズ
の変化に柔軟に対応できますが、インターはある意味でアウトソースすること
になり、空洞化を覚悟しなければなりません。インターの場合の要点は、どのよ
うなイベントに関するインターフェースを取るべきかを見通すこと、および基
幹リソースデータの共用体制を確立することになります。これによって、ERP
導入やDWH構築の際のトラブルを未然に避ける事ができるからです。
■ERPのアプローチ
確認を要しますが、ヨーロッパのプロセスモデルをベースにしたSAPや
Baanはインター的、アメリカのデータモデルをベースにしたOracleや
PeopleSoftはイントラ的アプローチを多く活用しているようにに見えます。
従来ここに述べたインター統合は、統合というより単に接続として捉えられて
いたと思いますが、敢えて棲み分けるべき統合の一つとして捉えれば、統合に
悩むDAの肩の荷を少しでも軽くできるのではと考えました。ご意見などお有
りの方、是非ご遠慮なくお寄せください。
追伸:
アプリケーションセミナー「データ中心アプローチによる業務ノウハウ」案内
データ総研創業以来14年に亘り行ってきた400件のデータモデリングの結果を
整理して、下記のアプリケーションノウハウに関するセミナーを開催すること
にいたしました。申し込み等詳細は弊社HP(http://www.drinet.co.jp)をご覧く
ださい。

9月22日(水)コード設計(CD)−リソース管理システム
10月26日(火)顧客管理システム(CR)
12月16日(木)販売計画・生産計画システム(PL)
1月18日(火)販売・物流システム(SD)
2月18日(金)生産管理システム(PR)
3月22日(水)契約管理システム(CT)
日程未定 経理システム(AC)
日程未定 人事システム(HR)
以上