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【第29号】情報システム部門のあるべき姿を探る

DRI通信29号 「情報システム部門のあるべき姿を探る」 1999.2.1
2000年へ向けて1ヶ月のカウントダウンを数えました。損保はこれは保証し
ないと明言しました。大混乱の起こらないことを祈るのみです。
昨年に引き続き悪性の風邪が流行っています。私は毎年1月末ころ代役のいない
「DB研」をやっているため風邪を引かないよう細心の注意をはらっています
が、今年もなんとか無事クリアすることができました。うがい、鼻洗い、ジョギ
ングなどが有効です。みなさまもお気を付けください。
さて今月はDRI通信を、弊社の若い取締役、黒澤に委託しました。ユーザ企業
の情報システム部門に対する彼の思いを綴っています。よろしくお願いします。


「情報システム部門のあるべき姿を探る」
一般ユーザ企業の情報システム部門の方を読者と想定して文章を
構成しております。 (黒澤 基博)
DOAのコンサルタントとして、多くの情報システム部門の方と接する機会がありま
すが、次のような悩みをたびたび耳にします。
1 ITの変化が激しく、それらを評価あるいは使いこなすことが困難に
なってきている。
2 業務が大きく変化し、情報システムの機能追加や再構築がそのスピー
ドについて行けない。
3 システム投資に対するリターンを、利用部門や経営層から従来よりも
厳しく迫られている。
4 リストラを含めた人員削減によって、新規システム開発を行うため
に必要な利用部門の工数が確保できない。そればかりか、新しい
業務を設計する人材がいなくなってきている。
5 パソコンに強いユーザが、次々と小規模なシステムやデータマートを
構築している。情報システム部門が管理できないところで行われるた
め、システムやデータの実態が把握できない。
これらのことは、何を物語っているのでしょうか。
経営環境やITの変化など、情報システム部門の外に目を向ければ、「情報シス
テム構築が、ますます難しい状況になってきている」と言えるでしょう。一方、
情報システム部門自身の問題としてとらえれば、「情報システム部門の真価が問
われている」ということになるでしょう。「君たちは、何のためにいるのかね」
という経営者の問いに、明確な答えを出さねばならない時代になったということ
でしょうか。
どのような情報システム部門が、経営者や利用部門に喜ばれるのでしょうか?
「情報システム部門のあるべき姿」を思い描くために、少々極端な発想をしてみ
ます。すなわち、「自分たちでなければ出来ない業務を必要最小限にしぼり、他
にまかせられる業務は、すべてまかせてしまおう」と考えます。
各企業で、事情が異なるでしょうが、少し考察してみます。
他にまかせられる業務には、何が該当するでしょうか?
・既に構築したシステムの運用や小規模な保守
・新規システム開発のシステム設計や構築
(ビジネスモデル作成、業務ルールの設計は、含みません)
・ハードウエア、通信等のインフラ整備 など
自分たちでなければできない業務には、何が該当するでしょうか?
・経営に貢献できる全社情報システムの将来像立案
・アプリケーションアーキテクチャの設計(1つのアプリケーション
システムの守備範囲、およびその構築方法選択)
・ 新規システム開発のビジネスモデル作成、業務ルールの設計
・システムインフラの選択 など
DOAのコンサルタントとしては、次に挙げる業務が、情報システム部門
本来の業務として残るのではないかと想定しています。
・データインフラの整備
物理的なシステムは、複雑化する一方なので全社的にデータを流
通させるためには、論理的にデータの規格を統一する必要があり
ます。これが実現すれば、意思決定に必要な全社串刺しの数値を、
提示することが可能になります。各システムのインタフェースコスト
も、格段に低減するでしょう。全社規模のDWH構築も容易になり
ます。
・アプリケーションアーキテクチャ設計
同じエンティティあるいはデータ項目が、複数のシステムに存在する
ことにより、さまざまな業務的システム的無駄を発生させています。
アプリケーションシステムの区切りを正しく設定し、One Entity In
One Systemを実現すれば、さまざまな業務改善につながります。
たとえば、2つのシステムから出力される「売上げ金額」の違いを
調査し、一方を修正するような業務がなくなります。また、同じデータ
を2重入力する業務などもなくなります。
システム間インタフェースについても、本質的に必要なものだけが残る
でしょう。
・ビジネスモデル設計
企業のコアコンピタンスに関わる業務は、ERPやパッケージではな
く、手作りのシステムとして今後も開発されると予想します。その時、
自社業務の未来の姿を描く中心的役割は、情報システム部門が担うもの
と認識しています。この部分を、他企業の誰かにまかせることは、
危険なことでしょう。
どのような業務が、最終的な情報システム部門の責務となるかは、意見が別れる
ところかもしれません。しかし、いままで情報システム部門が行ってきた業務を
分類整理し、情報システム部門でなければできない業務に、資源を集中すること
は、非常に有効なことと思います。
ところで、企業がビジネスの方向や社会的役割を明確にするためには、企業理念
やビジョンが必要になります。このビジョンがあるからこそ、選択の方向や資源
の配分を決めることが可能になるのです。同様に、情報システム部門の業務を取
捨選択するためには、あらかじめ情報システム部門にとってのビジョンを策定し
ておかなければなりません。会社全体の情報処理がどうあるべきか、ビジネスに
どのように貢献するか、システム構造の将来像がどうなるのかなど、充分な時間
を使って検討すべきと考えます。
ビジネスで成功している企業は、経営と情報活用が一体化しています。情報シス
テムを有効活用できなければ、競争に負けることもあります。今こそ、情報シス
テム部門にとって、活躍のチャンスです。経営にもっと近づき、充分な満足を与
えつづけることのできる、元気な情報システム部門になっていただきたいと思い
ます。そのために、情報システム部門としてのビジョンを策定し、担当業務を取
捨選択し、構造的変革を成し遂げてほしいと願っています。
付録
少々コマーシャルのようで、気が引けるのですが、弊社では、DOA−RAD方
法論、モデリングツールPcase、人材育成カリキュラムを作成しました。ビジネス
モデルによる業務改善、システム開発や保守の生産性100%アップなど、従来
のDOAを越えたビジネスエンジニアリングサービスを可能にしております。私
たちも、みなさまのお役に立てるよう、日々努力しております。