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【第5号】オブジェクト指向つづき

DRI通信 5号 「オブジェクト指向つづき」      1997.2.1
先回、オブジェクト指向序論といった話題をとりあげたところ、舌足らずからの誤
解もあっていろいろなご意見をいただきました。今回は「DOAのねらい」といっ
た話題を考えていましたが、これは次回にまわし、オブジェクト指向序論をフォロ
ウしたいと思います。
いただいたご意見の主なものは、次のようでした。
「アプリケーションという言葉は、マイクロソフト流に使いたい、椿さんのいうア
プリケーションは、ビジネスアプリケーションと呼んでいる」
「業務アプリにDOA、基本ソフトにPOA、には異論あり、OSにもDOAが適
用できる」
「すでにOOA/OODが流通しているのに、インパクトが弱い」
「OOAとDOAの違いをくわしくのべよ」
「業務アプリのオブジェクトとは何かを述べよ」
「ビジネスアプリケーションでは、DOAのいう管理対象がオブジェクトのはず」
「オブジェクトの抽出は、結局勘と経験に頼るよりない」
「ソフトウエアと企業組織との比較は分かりにくい」
「管理部門へもDOAは有効」
「DBソフトは買うもの、ならばこれと対比される総務・経理もアウトソースで
きるか。コンピュータシステムと業務システムのアナロジーは刺激的」


OOにもいろいろの考え方があって、どれを対象にすべきか分からない状態ですが、
4号を書いた私のねらいは、次のようなものです。
・共通の土俵を設定して、OOの人と噛み合った効率的な議論をしたい
・そのためにお互いが、いまどんな土俵で議論しているかを理解したい
・一方は基本ソフトを念頭に、他方は業務アプリを念頭に議論しているのに、それ
が世界全体のように認識/表現している可能性もあるのではないか
・基本ソフトは、社員名、顧客名などは意識しないIRDSのレベル2以上(メタ
やメタメタレベル)の処理を、業務アプリはこれらを意識するIRDSのレベル1
(アプリ)の処理をするものとしてはっきり区分できそうである
・OOはいずれにも適用できるが、その様相は非常に違ったものなのではないか、
少なくとも一律に論ずると混乱を招くのではないか
・たとえば基本ソフトの領域ではPOA的OOAが、また業務アプリの領域ではD
OA的OOAが、適用されるなど
・この議論が成功すれば、共通認識できる情報処理の基本的アーキテクチャができ
るのではないか
・また業務アプリの開発を担当しているのに、基本ソフトのときの感覚に影響され
て、自分の仕事の成果物が業務に役立つ「情報」であるというより、「プログラム」
だと錯覚してしまったり、「部品」というと情報を構成する「データ項目」でなく
「サブプログラム」を考えてしまう誤りを犯さずにすむであろう。
いただいたご意見のいくつかに簡単に、私なりの答えを述べて見ましょう。
「業務アプリにDOA、基本ソフトにPOA」といいましたが、これは通常のアプ
ローチを述べたものです。「興味ある課題」と注をつけたように、たとえばOSの
タスクをイベントとし、制御テーブルを概念ファイルと見立ててDOAを適用する
といった方式があります。しかしこの場合は基本ソフトの一部が業務ソフトにシフ
トしたと見るべきかもしれません。いづれにしても、ハードを動かすためのPOA
の部分は基本ソフトとして残るのではないでしょうか。
「OOAとDOAの違い」はこれからはっきりさせたいテーマで、そう簡単に答
えることができません。しかし弊社黒沢の書いたSKHレポート「オブジェクト
指向とPLAN−DBとのモデリング機能比較」が一応参考になるかと思いま
す。有料(1部1000円)ですがご希望の方は03ー5695ー1651まで
どうぞ。
業務アプリでのオブジェクトは何か。みなで議論しコンセンサスを得ていくべき大
きなテーマかと思いますが、私の個人的な仮説としては、
 ・概念ファイル(サブタイプ別)+その入力処理ロジックーー基本ソフト化可
 ・出力画面・帳票(サブタイプ別)+その出力処理ロジック
 ・加工データ項目(サブタイプ別)+その加工処理ロジックーーDBトリガ起動
が主要なもので、他はメタデータを適切に定義することによって、むしろ基本ソフ
ト側の課題とすることができると思っています。
したがってオブジェクトの抽出も業務アプリに限定する限り、サブタイプの識別
を除いてはDOA(少なくともDRI方式のDOA)によってまったく客観的に
行うことが出来ると考えています。
企業組織との対比は、舌足らずで、誤解が多かったようです。業務アプリの実体は、
出荷指図書、給与明細書、生命保険契約書などそのアプリケーションの成果物によ
って大きく異なるわけですが、企業組織の事業部の実体も、ビールか、自動車か、
生命保険かなど、その提供する製品やサービスによって大きく異なります。一方
同じOSやDBMSがいろいろに使われるように、総務や経理などは事業の内容に
よらず同じような機能になっています。このアナロジーがうまく伝わらなかったよ
うでした。決して総務や経理にDOAがふさわしくないなどというつもりはありま
せん。
以上まだ実証されていない個人的仮説を述べました。おかしい点などご指摘をお待
ちいたしておりますのでどうぞ。
ときどき「DRI通信を転送してよいか」とのご質問をいただくことがあります。
DOAを成功させるためのコミュニティーを作りたいと思っておりますので、遠慮
なくご活用下さい。すでに10社以上で関係者に配布されたり、ホームページに乗
せられたりしておられると聞いております。        データ総研 椿正明