事例から学ぶシステムコスト削減の具体策

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【2009年夏期特別開催セミナ】 事例から学ぶシステムコスト削減の具体策 ~早期化、構造可視化、初期投資抑制~

<2009年度夏季特別開催セミナ:終了報告>

2009年7月3日(金)、アイビーホール青学会館にて毎年恒例の夏季特別開催セミナー「事例から学ぶシステムコスト削減の具体策」を開催し、好評のうちに閉幕いたしました。今回は、昨今の経済状況を踏まえてITコストの削減をテーマとしましたが、100名近い方々にご参加いただくこととなり、コスト削減への関心の高さを改めて実感した次第です。当セミナーがご来場いただきました皆様のご発展の一助となれば幸いでございます。

1.ビジネスプロセスアウトソーシング事業における運用業務効率向上の取り組み

(ITエンジニアリング株式会社 加藤 亨様)

ITエンジニアリングは千代田化工建設から情報システムの運用業務をアウトシーシング受託している。2005年当時の課題として、サーバの乱立や開発標準の不在・新技術への対応不足などの原因から、効率的な運用業務の遂行がなされていなかった。その対応策として「IT資産体系による可視化・標準化」「アセットとリソースの集約による効率化」の2点を取り組んだ。「IT資産体系による可視化・標準化」では、全社のITインフラをライフサイクル毎に体系的に分析・整理し、各インフラ毎に役割分担を明確にした上で共通化・標準化を推し進めた。「アセットとリソースの集約による効率化」では、散在するサーバの集約化を行い、運用要員のスリム化を図るとともに、運用手順を標準化・ドキュメント化に取り組んだ。またこれらの活動とともに、PDCAサイクルを日常的に運用することで組織への改善活動の定着化を図った。

2.運用保守コストを中心としたITコストの削減にむけて

(日本ユニシス株式会社 村田 晴久様)

日本ユニシスでは、ITコスト削減を検討する企業を対象にITアセスメントサービスを提供している。まず現行のITコストを調査し、特定の費目に集計し可視化・構造化する。次に費目毎に、費用の妥当性を検証し、削減余地を識別した上で、削減策を検討する流れである。費用の妥当性は「リソース活用状況」「サービスレベル」「調達数量」「調達単価」の4点を評価軸に用いる。例えば「リソース活用状況」と「サービスレベル」を比較し、サービスレベルに対して過剰スペックの有無等を検出する、といった具合である。削減策については、契約方法の改善やサービスのデグレード等様々な施策が存在するが、コスト削減の方向性に従い最も効果ある施策を実施することが重要である。

3.新基幹システム「K-FIT(ケーフィット)」の導入について

(川商フーズ株式会社 原 顕様)

川商フーズはJFE商事グループの食品専門商社である。2009年1月にSAPを全社一斉導入し、短納期(当初2.5ヶ月前倒し)と大幅な開発コスト削減(当初から8割減)を実現した。検討当時は社内ではERP導入に対する強い抵抗があった。これに対しては経営が積極的にプロジェクトに関与し、各部門担当者の不安要素を把握し、経営効果を共有し、議論を尽くすことで社内担当者の協力を取り付けることに成功した。ERPの導入決定には不安もあったが、事前にデータモデルやプロセスモデルで自社を詳細に現状分析し、自部門の業務の特殊性に対する思い込みを解消することができたため、自信を持ってERP導入に踏み切れた。

4.変化対応力と現場力を挙げながら取り組むコストダウン

(株式会社データ総研 黒澤 基博)

ITのコストダウンは「ものフレーム」と「ことフレーム」の2つの方向性で考える。「もの」フレームとは、EA上に存在する各ITインフラであり、これらは限りなく機能の重複をなくし「スリム化」を図ることででコストダウンを実現する。一方、「こと」フレームとは、企画~運用に渡るIT業務を指し、「標準化」を図ることでコストダウンを実現する。例えば、開発における実装工程で、採用ツールを標準化することで高生産性を実現する、といった具合である。保守・運用工程に対するコストダウン策は、ナレッジの可視化と共有が重要と考える。属
人化した保守スキルの可視化を図ることで、人員構成を変更し要員全体数を減らすことが重要である。情報系システムのコストダウンでは、情報活用のしくみを最適化し、ユーザ・情報システム部門一人ひとりが「判断力・現場力の向上」をへと情報活用面でユーザを直接支援する。

情報交換会

アンケート集計結果

当日ご回答いただきましたアンケートの集計結果をご報告いたします

セミナー全体の印象
多数の方々に有意義だったとの評価をいただきました

情報システム部門全体について

経営からの要求は?
経営からはコスト削減の要求が強い一方で、スピードも求められています
ビジネス変化スピードへの追随は?
ビジネスの変化にすばやく対応するシステム作りは多くに企業様で課題となっているようです
コスト削減でより重要なのは?
運用、保守の部分でのコスト削減が重視されています

コスト削減の施策について

開発コストの削減施策は?
開発のコスト削減では、開発の効率化が重視されているようです
運用コスト削減の削減施策は?
運用コストを削減するにはシステム設計が重要であるとお考えの方が多いようです
保守コストの削減施策は?
保守コストの削減には保守プロセスの標準化が重要視されています
全体のコスト削減施策は?
「統合化」によりシステムコストの削減を図る企業様が多いようです

 

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サービスレベルを落とさず情報システムのコスト削減を実現された先進企業様の事例

 
現代のビジネスにとって、情報システムは非常に重要なものになっています。
また、新たなビジネスチャンスを獲得するためにも、情報システムを活用しなければなりません。
経済がどのような状況であろうと、企業はビジネスチャンスを広げるためや、将来の情勢や事業方針の変化に迅速に応えられる変化対応力をつけるために、情報システムを開発し続けなければなりません。
一方、運用保守も、現在のビジネスを支えるために対応し続ける必要があります。

情報システムは多くの場合、本業の支援機能であるため、コスト抑制の対象になります。
特にこの点は、最近の経済状況における企業経営では重要な課題になっています。
情報システムにおけるコストの抑制は、新規開発や再構築、運用保守といったシステムライフサイクル全般にわたってコスト削減の方法を検討しなければなりません。

再構築を含む新規開発は、さまざまなパッケージや開発環境の適用などによって、開発期間を短縮することができるようになってきました。しかし、パッケージや開発環境を適用するだけではコスト削減を実現することはできません。

一方、運用保守は、品質とコストが固定化していると考えられがちなものですが、メスを入れなければシステムコストの削減は達成できません。これは、ITコストの大部分が運用保守に投じられているためです。しかし、運用保守には、稼働中の情報システムのサービスレベルを落とさずにコストを削減するという難しさがあります。

このセミナーは、システムライフサイクル全般を対象にし、新規開発、運用保守それぞれで、早期化、構造可視化、初期投資抑制をテーマにしてコスト削減を実現された先進企業様の事例をご紹介します。どのような困難があり、どのようにそれらを乗り越えてコスト削減を実現されたのか、どのような具体策が考えられるのかなどを知ることができます。
これから情報システムのコスト削減に取り組むことを検討されている企業様、実際に取り組みをされている企業様にとって、非常に参考になる情報を提供できるものと確信しております。


  《こんな方にお薦め》
    ●システムコストの削減を経営から指示されている、または考えている
    ●コストダウンを実現する情報システム構想を検討している
    ●再構築や新規開発を低コストで実現することを検討している
    ●パッケージ導入を短期間に実現することを検討している
    ●保守・運用業務のコストダウンを考えている、または、取り組んでいる
    ●来年度あるいは中長期の情報システム計画を検討している
    ●IT人材育成の方向を考えている
プログラム

事例から学ぶシステムコスト削減の具体策
      ~早期化、構造可視化、初期投資抑制~
13:30~13:40 セミナー開会のあいさつ
13:40~14:30 (1) ビジネスプロセスアウトソーシング事業における運用効率向上の取り組み

  • IT資産体系化による運用業務の可視化・標準化
  • アセットとリソースの集約による効率化
  • ITサービスマネジメントの実践
14:40~15:30 (2) 運用保守コストを中心としたITコストの削減にむけて

  • 運用保守コストの最適化プロセス概要
  • 小売業におけるユーザ事例ご紹介
15:45~16:35 (3) 新基幹システム「K-FIT(ケーフィット)」の導入について
    ~2.5カ月前倒しカットオーバーの成功要因~

  • ERP選択の背景と理由
  • 導入の進め方
  • 導入に際しての不安と意識したこと
  • 成功の要因
16:45~17:25 (4) 変化対応力と現場力を上げながら取り組むコストダウン

  • IT人材育成とコストダウン
  • 変化に強い情報システムアーキテクチャとは
  • 事業を後押しするコストダウン施策
  • 全体総括
17:25~17:30 全体質疑応答、セミナー閉会のあいさつ
17:45~19:30 情報交換会  ※別室にて軽食とお飲物をご用意しております。
講師紹介
(1) 加藤 亨  -Toru Kato-
ITエンジニアリング(株) 取締役 常務執行役員
慶応義塾大学工学部修士課程修了後、千代田化工建設(株)情報システム部門勤務。
グローバルネットワーク構築、電子協働推進プロジェクトなどのPMを担当。
1999年にITエンジニアリング(株)へ移籍。ネットワークデータサービス事業部長、営業部長、EPM事業部長、C-IT事業部長を歴任。
現在、取締役常務執行役員C-IT統括として、千代田化工建設向け業務全般を統括する。
技術士(情報工学部門)、PMPR
(2) 村田 晴久  -Haruhisa Murata-
日本ユニシス(株) ビジネスディベロップメントセンター コンサルティング室 マネージャー
日本ユニシス(株)入社以降、オープンシステム系アプリケーション開発、利用技術を担当。Java、Webを中心としたシステム開発の要求仕様策定から開発などを行う。
2000年より、主に顧客企業のITコンサルティングに従事。主に顧客企業の情報システムの分析、ToBe像の策定などを行う。
現在、ビジネスディベロップメントセンター所属。
(3) 原 顕 -Akira Hara-
川商フーズ(株) 取締役
1978年東京大学卒業後、川鉄商事(株)入社。木材部門の営業を担当。
2001年より食品部門を担当。海外子会社の取締役社長を歴任。
2004年川商フーズ(株)に移籍。
2007年営業担当取締役に就任、現在に至る。
中東(ドバイ)赴任中に、情報システムを導入し成功させた経験を生かし、今回のプロジェクトの導入リーダーを務める。
(4) 黒澤 基博 -Kurosawa Motohiro-
(株)データ総研 代表取締役社長
エンタープライズアーキテクト。DOAメソドロジスト。
1984年システムエンジニアとして共同利用型バンキングシステムの設計・開発に従事。 1988年(株)データ総研入社。データ中心システム設計のコンサルティングを始める。
電力・通信・製造・化学・建設・運輸・金融など数多くの業界におけるデータ設計に携わる。1993年から業務アプリケーション全体最適化のコンサルティングも手がける。2000年に代表取締役社長就任、現在に至る。
主著に「データ中心のエンタープライズアーキテクチャ」がある。