「このリレーション、どこかで見たことがあるなぁ?」
とある企業のマスタ統合案件に携わり、部署の垣根を越えたマスタデータ連携のモデリング作業を進めていた先日、ふとこんな思いにとらわれました。
800件ものマスタ統合実績を持つ弊社の事例の中に、似た事例が出てくることは多々あります。ただ今回のモデルの印象は、もっと漠としたものでした。
休日、自宅の書籍の整理をしていたときに答えを見つけました。マスタをリレーションシップで結んだモデリングのラインが、学生時代に学んでいた古代ローマのローマ街道のラインと偶然重なっていたのです。
紀元前312年にローマから南イタリアのカープアまで敷設されてはじまった古代ローマの街道建設は、国土の拡張とともに全土へと広がり、西は現在のスペインから東はシリアに至る広大な領土を縦横に結びました。
今も古代も、道路建設には膨大な資金がかかります。ローマ人にありあまる資金があったわけではありません。広大な領土を統治するためには、遠く離れた国の情報を入手し、税を円滑に徴収し、また問題が発生した際にすみやかに解決(その多くは軍隊の派遣)する必要がありました。「人」=「情報」であった古代に、経営とはいかに迅速に人を動かすかであり、整備された道が必要でした。
この原則を深く理解していたローマ人は、現代の道路工事にも負けない強固な基礎を施した街道を数百年にわたり作り続け、維持してきました。その堅固さは、現代でも一部の路線がそのまま使用できるほどであり、イタリアにおいては鉄道・高速道路の傍には必ずローマ街道を見ることができます。2000年を経た今も、国家の経営を支えているのです。
統合モデル図のラインとローマ街道が重なったのは偶然です。ですがこの偶然は、古代と現代、国と企業という違いはありますが、情報を整備したネットワークでつなぐことの大切さを、おもわぬところから再認識させてくれました。
そして道路工事に現場監督と言うエキスパートがいるように、マスタ統合にもその道のプロが必要なのではないでしょうか?
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コンサルタント 高橋 章
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