現在、流通業において、注目されているものに、流通BMS(流通Business Message Standardsの略、消費財流通業界で唯一とすることを目標としたEDI標準仕様)やGDS(Global Data Synchronization、商品マスターデータの国際的な同期化)があります。
これらは経済産業省の流通システム標準化事業としてユーザー企業が主体となり、共同実証試験を経て、いくつかの企業では既に導入が始まっています。
欧米では同様の取組みが日本よりも先行しており、実用化に至っています。
前半では、流通BMSを含む標準化の動向について、後半では、GDSについて書いてみたいと思います。
・流通業界標準化の歴史
まず、流通業界における標準化の歴史を辿って見たいと思います。
以下に簡単にまとめてみました。時代と共に標準化が本格化していきます。
1971年:小売業の店舗と本部間の社内EOSが可能になった(第1次通信開放)
1974年:百貨店統一伝票(統一伝票A様式)制定
1975年:チェーンストア統一伝票(統一伝票B様式)制定
1980年:JCA手順制定 (JCAは日本チェーンストア協会)
1982年:J手順制定(通産省(現:経産省)が制定した流通業界の標準通信手順)
1982年:JCAが受発注用のデータフォーマットを標準化
1982年:他社とのオンラインデータ交換が可能になった(第2次通信開放)
1984年:ターンアラウンド用統一伝票制定
1985年:新電気通信事業法制定、VAN事業自由化(業界VAN、地域VANなど)
1997年:JEDICOSメッセージ制定(EDI)
(JEDICOS:Japan EDI for Commerce Systems(日本流通標準EDI))
90年代以降、EOSからEDIへと呼称が変わる。
2000年:Web EDI普及し始める
2001年:XML-EDI標準化研究開始
2003年:流通SCM事業検討開始(流通BMS)
2005年:GDS実証試験実施
2006年:GDS実用化試験実施
2007年:GTIN対応(ベースはJAN)
2008年:次世代標準EDI(流通BMS)導入始まる。
・流通BMS整備の目的
流通BMSは、消費財流通業界で唯一の標準にすることを目標とした、メッセージ(電子取引文書)と通信プロトコル/セキュリティに関するEDI標準仕様です。製・配・販の流通三層間のビジネスプロセスをシームレス化することで流通SCMを促進し、業務の効率化と高度化を目指すものです。
情報共有基盤といったインフラ部分は標準化により確実にコスト削減する。その上で同業者間の競争においては、いかに情報をうまく活用し、消費者への付加価値を最大化するかが重要である、という考えがベースとなっています。
現状EDI(JCA)は、
・フォーマットが不統一で項目追加が困難、システムコストが膨らむ。
・通信スピードが遅く、機器サポートが停止される。
といった問題が顕在化してきたため、より高速且つ柔軟性のあるEDIが必要だということで、 次世代EDI(流通BMS)が策定されました。
流通BMSには以下の効果が挙げられます。
・通信スピードアップや伝票レスによるEDI業務効率化
・インターネット、メッセージ標準化によるコスト削減
・標準化による項目追加などの柔軟性の向上
流通BMSは従来のEDIよりも普及すると言われています。これは従来と違い効果が大きいことや、民間主導による検討方式だったからとも言われています。
後半は、商品マスター情報の標準化であるGDSについて、詳しく書いてみたいと思います。
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以上
コンサルタント 神田 健司
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