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流通業における標準化と商品マスターについて(後半)

現在流通業で注目されている流通BMSとGDSについての後半です。
前半は流通BMSを含む標準化の動向でしたが、
後半は商品マスター情報の一元管理であるGDSについて詳しく書いてみたいと思います。

・GDS(Global Data Synchronization、商品マスターデータの国際的な同期化)
 GDSは、製配販における商品マスターデータのやりとりを効率且つ正確にするために、データプールを経由させ取引企業間の商品マスターデータの同期化(元データの一元化)を実現する仕組みです。

そのGDSの仕組みはどのようになっているのか?少し見てみましょう。
・まずメーカが商品マスターデータを登録するとデータが送信側データプールに登録されます。
・同時に当該データはレジストリに登録されます。
・登録者であるメーカは、データの開示先を制限するなど公開条件を指定することができます。
・商品マスターデータを利用する卸売業や小売業はマスターデータ利用に関するリクエスト条件をデータプール(受信側)に登録します。
・リクエストに適った商品や取引先のデータを探す際、レジストリ経由でリクエスト条件と公開条件を突合せ、合致するデータのみをデータプール(受信側)に送ります。
・最終的に卸売業や小売業はデータプール(受信側)から必要な商品マスターデータが受信できます。


・商品マスターに関わる課題(GDS以前)
 流通業ではメーカー、卸売業、小売業の間の商品情報の登録や共有が長年の課題でした。
従来は、商品の製造メーカで採番したJANコードなどの商品コードを卸売業のシステムでも独自に登録し、さらに小売業のシステムでも登録するといった流れでした。
 
 そうすると全体から見れば3プレイヤーが各々登録することになります。
取扱い商品の件数は、店舗形態により異なりますが、品種の少ない専門店でも常時数百件はあり、GMS、SM、CVSに至っては数万件という規模です。
 
 そのような大量の情報を登録する作業は、その作業工数が膨大であるばかりか、しばしば登録ミスなどにより受発注、納品などの業務支障をきたしたり、マスター登録が追いつかず、商品投入がキャンペーンに間に合わないといった不具合を引き起こします。

 しかし、実際には商品に関する多くの情報(基本項目)はプレイヤーによる違いがありません。
つまり理論的にはメーカが一度採番登録すれば後の利用プレイヤーである卸売業や小売業の登録は不要であって、データをそのまま受領し、共有・活用すればよいのです。

 上記のような状況から商品マスターの標準化・同期化は、業務効率化に大きく寄与すると思われます。
ある意味では業界全体での商品マスターの一元化という言い方もできます。大変壮大な事業です。

・GDS導入における留意点
 実際の運用では、各社はデータプールから自社システムの商品マスターにデータを取込むことになります。
むろん従来に比べ、商品マスターの登録作業コストが格段に削減できます。
 
 しかしながら、会社によっては自社システム内に取込む際に社内システム用のコードと商品コードを対応付けしたり、あるいは変換するなどの対応が必要になります。また、必ずしも標準項目だけで実業務が回る訳ではありません。例えば標準項目以外の各社独自項目を管理したい場合、その登録は誰もやってくれていませんから、自ら(自社で)が登録しないといけません。
 
 したがって、標準項目と独自項目とを社内で区別するために、業界標準項目とマッピングする必要があります。
 これにより自動で更新されるものと自ら登録更新すべき項目とが明らかになります。

 独自項目には、販売実績を自社独自の観点で分析するなどの際に必要となる商品分類や各種区分類があります。
また、インストアコードなどのローカルコードの採番管理は従来のまま必要です。

 他にも例えば、期間ごとの売価、値引き、商品画像、広告・イベント、店舗別商品マスター、棚割マスターなどの商品マスターに絡む他マスターとの関連付けがありますので標準商品マスター登録・更新の都度、自社システムの登録・更新が必要になります。

 GDSや流通BMSを導入するにあたり、社内のシステム構造を標準構造に連携させるのみならず、今まで対処できなかった不具合もこの際、解決してしまおうという企業が多いのではないかと思います。

 業界全体としてクリーン且つ一元化された商品マスターデータ管理を目指すのですから、自社内(本部、店舗間)もしくはグループ会社間等においても効率的なマスターデータ管理を目指したいと考えるのは、ごく自然であり、且つ非常に合理的であると思います。

 流通BMSや商品マスターデータ管理に関して、お悩み・お困りのことがありましたら、是非とも弊社にご相談下さい。
 弊社はシステム企画、データ構造の分析及び設計、業務プロセスの分析及び設計など情報に関わる整理、分析、設計の専門コンサルティング会社として、支援実績が大変豊富な会社です。

http://www.drinet.co.jp/consulting/mdm

以上

コンサルタント 神田 健司

データ総研 コンサルタント


データ総研のMDMソリューション