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保守生産性向上 データ辞書を不用の用から要(かなめ)の用へ

【従来のデータ管理の手法】
前回は、ISO 11179という世界標準のデータ管理手法がどんなものか具体的に述べた。
今回は今までのデータ辞書やデータ管理がどうであったかを見てみよう。
20年くらい前になるが、情報システムの最も基本的な部品であるデータ項目を、どう管理するかがホットなテーマとなったことがある。


その手法は大きく分けると二通りのやり方があり、私自身もどちらを採用するか真剣に悩んだことがある。
その当時は優勢を占めていたと思うが、データ項目をネーミングユニークで管理し、情報システムで使うデータ項目は、全て共用部品として一元管理された用語を使うべきだというものだ。
もう一方は、その頃流行り始めたデータモデルをベースに、エンティティ上のアトリビュートで意味定義し、それをデータ項目と紐付け管理するやり方だ。
先ず、ネーミングユニークの用語で管理する方式の特徴は、
・データ項目名を共通部品とし、物理データ項目は部品であるデータ項目名を使いその意味   や物理属性を継承する
・ネーミングユニークを実現するために、項目名は単語の組合せなどにする
・全てのデータ項目名を標準化し、その意味を一元管理統制することができる
などがあり、情報システムを言葉で統一管理する「予定調和」を目指したものといえよう。
しかし、一方、次のような問題にも直面した。
 ・数が非常に多くなり、また、部品の粒度が変わり易く、維持管理が難しい
 ・ネーミング重視であるため、部品の識別子である項目名に個人差が出易い
 ・利用する場合も、どの項目名を紐付けるか迷いが起きやすく、精度が問題となる
・データ項目名が標準化されていない既存の乱れたシステムには適用しにくい
ある銀行の第三次オンでDatamanager(メインフレーム用のデータ辞書ツール)を使って、4万項目超の項目名をネーミングユニークで管理し、担当のデータ管理者自らが自信を持ってこの手法を薦めていたのを思い出す。
当時は、多くの人がこの手法のシンプルさと美しさに惚れ込んだが、人間くさい熟練技であり、担当者の全社システムに対する幅広い知識と、高い感性や執着心が要求され、属人的にならざるを得ないようだ。
情報システムを「予定調和」で科学的・工学的に構築できればすばらしいのだが、なかなか実現していないの現実だ。
ましてや、既存システムのデータ標準化をこの手法で行うのは、殆ど不可能だ。
コンサルタント 市堀 誠治

データ総研 コンサルタント