【ISO 11179とは】
このブログでは、保守効率化という古くて奥深いテーマに、正面突破の具体的な対策を考えてゆきたいと思います。
前回に続き、今回はISO 11179のデータ管理手法について、具体的に見てゆこう。
一般にISO規格は、我々情報システムに直接関わる者にとっては、取っ付きにくいものが多かった。
しかし、このISO 11179のデータ管理手法は、うまく使えば非常に効果が期待できそうだ。
ISO 11179のメタデータ構造のエンティティは40以上あるが、データ項目の意味管理の核となる構造は下図で示すように、非常にシンプルだ。
こういう抽象的な意味の話には、より分かりやすい具体的な事例が必要だが、なかなかいいのが見つからない。
例えば、このMetadata Open ForumのHPには、ISO 11179に関する発表資料がたくさん載っていて参考になるだろう。
どうしてこんなに単純な意味管理の手法が21世紀になって世界標準として成立したのか、私には不思議なくらいだ。
しかし、構造はシンプルだが、特に、認識層の具体的な内容は理解しにくい。
例えば、認識層の概念ドメイン「性別」は、性別の概念のみを表すものであり、「男」ではなく「オス」でなければいけないのかもしれない。
また、気をつけねばならないのは、この4つのエンティティの中でも、意味管理をするのに必須なものと無くても済ませられるものがある、ということである。
この規格を10年以上前から提案してきたISOメンバの堀内一氏によると、概念ドメイン(Conceputual Domain)とデータ要素概念(Data Element Concept)は省略する場合が多いということだ。
すなわち、ISO 11179の中心となる考え方は、値ドメイン(Value Domain)を共通部品として、データ要素(Data Element)と紐付けてデータ項目の意味管理を行うことである。
我々情報システムに携わる者は、よく「折角だから」、「将来使うかも」、「取り敢えず使ってみよう」などと欲を出す場合が多いが、データの意味管理に関しては、できるだけ、必須なもののみに最初から絞った方がよいだろう。
私自身、20年前に大規模システムでデータ管理を実践したが、そのメタデータ構造を決めるのに徹夜を含め何日も議論を重ねたことを覚えている。
その時に身に付いたのが、「手は頭より重い」、すなわち、頭ではいろいろ盛り沢山のことを考えるが、いざ、開発や保守の現場で実際に手を動かす段階になると、その定義内容の品質を維持するのは非常に負荷が大きいということだ。
実際に大きなプロジェクトで多くの人が定義・修正・参照することを思い浮かべて、現実的な管理レベルを設定しないと、データ辞書がゴミ箱になってしまうので注意が必要だ。
次回は、引き続きこの手法が実際にどう使われているか見てみよう。
コンサルタント 市堀 誠治
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