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ERPのデータ設計

「ERPはパッケージだからデータモデリングなんてしないよね!」
「ERPはパッケージだからデータ設計はいらないよね!」
なんて話を良く聞きます。これは大きな間違いです。

私たちがERPの導入を支援するときは、ERPのデータモデル図と現状業務のデータモデル図を使ってフィット&ギャップを実施します。
ERPのデータモデル図は「器の構造」を表します。一方で、現状業務のデータモデル図は「意味の構造」を表します。

たとえば、社外組織の構造を例に考えてみます。
現状業務の社外組織は「受注先」「出荷先」「請求先」「発注先」の4つ。
ERPの社外組織は「顧客」「仕入先」の2つ、
この場合、意味的構造を表す4つのエンティティをERPが持つ2つの論理ファイルにマッピングしなければなりません。さらに、「請求先」が「帳合先」「帳合元」の2つのサブタイプに分けられる場合など、複雑な意味構造が存在します。この場合、どのように顧客ファイルにマッピングすべきか悩みます。

通常のシステム開発であれば、意味の構造にあわせて器の構造を作れば良いので、比較的簡単に論理ファイルを設計できます。しかし、ERPの場合は、ファイル構造を変えられないので、値を捻じ曲げて無理に器に合わせます。

意味の構造を明らかにした上で、現状のデータ項目(あるいは値)をERPの器に対応づけなければならないのに、多くのフィット&ギャップでは、現状システムの器の構造とERPの器の構造とを比較しています。いや、それどころかプロセスと業務機能が一致すれば、それで「フィット&ギャップ終わり」として、値の調整はすべてユーザにお任せとなってしまうプロジェクトさえ存在します。こんなプロジェクトに巻き込まれたユーザは、みんな大変な思いをしています。