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アプリデータとメタデータ

販売物流や会計などの概念データモデルを作成したとき、そこに表われるデータ項目は一般の業務で使われるものですから、アプリケーションのデータです。ここでは省略してアプリデータと呼びます。一方で、システム開発そのものを1つの業務領域と考えて概念データモデルを作成した場合、そこに表われるデータ項目はメタデータです。メタデータはアプリデータを説明するためのデータと言うこともできます。たとえば、データ項目番号、データ項目名、桁、定義域番号などです。


さて、ここからが本題です。
アメリカでオブジェクト指向のセミナーに参加したときのことです。アメリカで開催されるセミナーは、レクチャーのように一方的に聞くだけではなく、受講者が参加し議論する例題が用意されています。ある例題で作成したクラス図に、車種を表す車種オブジェクト、識別子である車種コードが表現されました。それを見た、モデリングのコンサルタントが、「車種はメタデータだから図に表現すべきではない」と言い始めたのです。その人の主張では、実体として存在するオブジェクトはナンバーをもっている車であって、それを分類するものはオブジェクトを分類しているからメタデータだと言うのです。私は、車種もアプリデータだと思っていましたから、少々驚きました。このとき初めてアプリデータとメタデータを区別する基準が人によって違うものだと知りました。この話はもう10年以上前のことです。いまでは、この種の分類オブジェクトは「パワータイプ」と言って、クラス図に登場しても良いことになっています。
ユーザが業務の世界で認識するデータを、メタデータではなくアプリデータと定義すれば、エンティティの分類やデータ項目の分類などメタデータ的性質をもつものもアプリデータになってしまいます。たとえば、勘定科目、工事費目、取引種別などが該当します。
高度なモデリングテクニックとして、このようなメタレベルの分類をアプリデータに取り込んで、変化に強い構造を実現することがあります。

黒澤 基博


データ総研のMDMソリューション