モデリングの作業中、すなわち対象を認識する瞬間、我々の頭のなかではどのような認識の仕方が行われているのでしょうか。
我々は、漠然と何かを認識することができません。漠然と何かを認識しても、それでは自分の記憶に残りません、あるいは他人に分かるレベルで可視化できません。
1つだけ確実なのは、あるレベルでモデルとして使い物になる認識は、「それを○○として認識する」と考えていることです。
森羅万象すべてがモデル化の対象になりうる状況で、私たちは無意識のうちに取捨選択しています。無意識を認識することは難しいですが、この「○○として」が対象を見る視点を決めています。もっと言えば、視点が先にあって、はじめてモデルとして意味のある認識が成り立つのです。
「○○として」が明確であればあるほど、認識のレベルが高まります。すなわち、「切れ味の良いモデリング」ができるわけです。「○○として」を例示すると、「オブジェクト」「エンティティ」「処理」「イベント」「受注イベント」・・・・・となります。最後に例示した「受注イベント」はかなり具体的で、業務経験がなければそのような視点は生まれませんが、「オブジェクト」「エンティティ」はモデリングファシリティから与えられる視点です。モデラーが漠然と「オブジェクト」や「エンティティ」を理解していたのでは、切れ味の良いモデリングができません。あるいは、誤った定義を理解していたのでは、正しいモデリングができません。たとえば、概念モデルを作成する際、「オブジェクト=モジュール」「エンティティ=論理テーブル」と認識していたのでは、実世界が捻じ曲がって映し出されます。
モデリングファシリティが与えるメタモデル要素(オブジェクト・エンティティ・サブタイプなど・・・・)の定義や解説は非常に重要です。「○○として認識する」を無意識に実施していませんか?メタモデル要素を深く理解することによって、「視点」を自分の中に「意識する」ことをお勧めします。モデリングの切れが良くなります。

























