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要求定義の意味

ある開発プロジェクトのメンバと会話をしたとき、要求定義工程の話になりました。話の内容がときどきすれ違うので「要求定義とはどのような意味ですか?」と聞いてみました。
すると「どのような機能をコンピュータシステムで実現するかという定義ですよ」という応え。一方で、概念データモデルを作成する工程で、我々が使っている要求定義は、「情報要求の定義」すなわち、「ユーザが仕事をするにあたってどのような情報を必要とするか」です。
この違いはどこからくるのでしょう。


要求定義、機能要求定義、要件定義など、そもそも多くの言葉があり定義があいまいなために違いが発生するわけですが、その点を別にして考えて見ます。
私は、2つの違いの背景にあるのはコンピュータシステムの捉え方ではないかと思っています。「どのような機能をコンピュータシステムで実現するか」と考えている人は、コンピュータシステムで実現する機能とそうでない機能に着目します。さらに、コンピュータシステムで実現する機能の詳細が知りたいわけです。
「ユーザが仕事をするにあたってどのような情報を必要とするか」と考えている人は、コンピュータも組織の一員として参加する、業務全体の役割分担に着目しています。どの組織がどの情報を入手すれば仕事が始められるか、次の仕事にバトンタッチできるか、に興味があるわけです。
最近、業務仕様を固められなくて、多くのプロジェクトが失敗しています。その原因は、コンピュータシステムが実現する機能を明確にすることばかり注目した作業工程のためだと分析しています。大切なことは、コンピュータが組織の一員として参加したときに、既存ユーザはいままでと異なる責任をもち、異なる役割分担になることです。業務仕様を固める工程の中心は、業務課題の検討とユーザの合意形成だと思っています。
メソドロジストの一人として、合意形成を重視した作業スケジュールを作成してほしいと願っています。

黒澤 基博