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概念・論理・物理

データ構造を表現する視点には、概念・論理・物理があります。視点別のモデル(図)を、概念モデル・論理モデル・物理モデルといいます。
一般にERモデルやTHモデルを適用する範囲は、概念モデルまたは論理モデルになります。
概念モデルは、実装環境に関係なく業務上の「もの」や「出来事」を忠実にデータ構造として表現します。もちろん、作業工程(グループ企業のデータアーキテクチャ設計、企業全体の現状分析や新規設計、個別業務領域の現状分析や新規設計など)ごとにアプローチの方法が異なります。


基本的に、現状分析は分析者の恣意を極力排除することが求められます。すなわち、科学的・工学的手法でなければなりません。
データ中心であれ、オブジェクト指向であれ、科学的・工学的モデリングは、誰が実施しても同じ答えになる再現性が重要です。しかし、「自己流」「モデリングの着眼点が洗練されていない」「方法論が未熟」などさまざまな理由で、同じ結果にならないことは非常に嘆かわしいことです。
データモデリングには、手を動かして初めて理解・発見することが沢山あります。私自身、先達の助けがあったことは非常にラッキーだったと思っています。
科学的・工学的に洗練されたモデリングを学ぶためには、良い師(本ではない)に学ぶことをお勧めします。
論理モデルは、概念モデルと違い、実装環境の特徴を意識したものになります。誤解を恐れずに言えば、論理モデルはソフトウェアが扱うファイルの構造を図にしたものです。
業務分析・外部設計・基本設計など呼び方はさまざまですが、これらの工程で作成しているデータモデルの多くが論理モデルです。逆に、純粋な概念モデルを記述している人は、驚くほど少数派です。おそらく、データモデル作成の目的が、ソフトウェアの製造にあるためでしょう。(ほんとうは、それだけではないはずですが・・・・)
私もシステム屋さんだったために、概念モデルを作成しているつもりで、論理モデルになっていたことが多々あります。
「ビジネス世界を忠実に表現する概念データモデルを作成し、それにアクセス要件やパフォーマンス要件を加えて論理データモデルを作成する」といった正しい手順で設計したいものです。

黒澤 基博