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唯一の答えを求めて?

誰が実施しても同じ答えになる概念データモデルの作成、三番目の条件は「作成した概念データモデルを評価する視点が共有可能で、誰でもレビュできる」です。


レビュにはスキルが必要です。
現在進行中のプロジェクトでレビュするためには、適切なスキルをもった人を選ぶ必要があります。「誰でもレビュができる」はちょっと言い過ぎで「誰でもレビュできるようになる」が正しい表現でしょうか。
概念データモデルの正しさは2つの視点で評価すべきです。
一つは文法です。文法は、非常に大切です。意味の世界を支えるのは、文法の正しさだからです。
・エンティティにKEYがない
・関係線に対応する参照KEYがない
・加工データなのに加工マークがない
・KEYと参照KEYとが全く違う言葉で表現されている
などなど。
事前にチェックリストを作成し、少し訓練すればレビュ可能です。
もう1つの視点は、業務の写像の正しさです。レビュで確認することは、「業務上の管理対象とエンティティの一致」「管理対象間の関係とエンティティ間の関係の一致」です。
この確認には、業務知識が必須です。通常は、ユーザに概念データモデルの読み方を教育し、レビュ会議に参加してもらいます。
我々レビュワーは、ユーザが説明する内容と概念データモデルの意味とを突き合わせます。
レビュ初心者は「顧客と受注は1:Nですか?」「受注と出荷は1:Nですか?」と聞きますが、
業務知識が蓄積されてくると業務側に一歩踏み込んだ表現に変わってきます。「同じ顧客から複数回の受注がありますね」「1つの受注を数量別や出荷場所別に分割出荷することがありますね」など。
レビュでは、このように自然言語と図面言語(概念データモデル)の翻訳を瞬時にしなければなりません。レビュを仕切ることができるようになるのは、3年〜5年かかると思っています。
真の「業務の写像の正しさ」をチェックするためには、エンティティの性質を深く知るとともに、実世界の観測装置たる概念データモデル機能の限界を理解しておく必要があります。
いろいろな場面で、エンティティの性質やモデリングの限界について、取り上げて解説したいと考えています。

黒澤 基博