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データ基盤設計とデータベース設計

全社あるいは連結企業全体にわたる広さのデータ基盤を設計する場合、一般のデータベース設計と異なる難しさがあります。


今の私にとって一番の悩みは、設計する人(特に仕事上接点をもつデータ設計技術者)のスタンスが通常の業務アプリケーションを設計する場合と変わらないことです。すなわち、ニーズを調査しその範囲でデータを統合できれば良いと考えてしまう姿勢です。
ニーズを把握することが不要だと言っている訳ではありません。それは設計要件の一つとして重要ですが、基盤の設計はもっと重視すべきことがあります。
そのもっと重要な要件は、過去から未来への「方向性」です。データ基盤はすぐに構築できませんし、一度構築したものを5年・10年と維持しなければなりません。そのため、全社的にどういった方向にデータ統合が進むか、どの部分の情報流通が加速するかを見切る必要があります。
その判断のよりどころは、業界の動向や連結経営の方向性です。手がかりの1つは、中長期の経営計画に記述されています。ところが、IT技術者はITの方向性を調査・研究したことはあっても、業界動向や連結経営の方向性に関してはそれほど強くありません。
また、確固たるニーズが無い中で「方向性」を判断する仕事に慣れていません。
最近、エンタープライズアーキテクチャに関する仕事が多くなっていますが、企業の成熟度や連結経営の方向性から基盤を設計する方法論が求められていると感じます。

黒澤 基博