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イベントエンティティ

エンティティの分類の1つ、「イベント」の考察です。


実世界が「もの」と「こと」から成り立つ世界であるとすれば、イベントは「こと」を表すエンティティです。ビジネスの世界では、企業間や組織間でお金や物が動いた場合、記録を残します。お金や物が動かない場合であっても、指示、約束事、変更の履歴については、必要な範囲で記録を残します。この記録がイベントエンティティです。いくつかのイベントエンティティを例示すると、受注、出荷指図、出荷、請求、入金、月別販売計画、人事異動などです。
記録というと過去のものに限られてしまいますが、未来に発生する出来事の予定もイベントエンティティに該当します。
イベントエンティティは、発生頻度に着目するとランダムイベント、定例イベントに分けられます。また、これとは別な観点として、変更の履歴をとるために発生するイベントがあり、これを異動イベントと呼んでいます。受注・出荷指図などはランダムイベント、月別販売計画は定例イベント、そして人事異動は異動イベントに該当します。
イベントエンティティは、比較的簡単に見つけることができます。イベントは、発生する日付や時刻をもっているからです。この性質に着目して、「帳票や画面に存在する○○年月日」というデータ項目を見つければ、○○というイベントエンティティを見つけたことになります。
イベントエンティティのオカレンスは、頻繁に発生しますが、従属データ項目はそれほど頻繁に変更されません。一度発生した出来事の記録は、そのまま保存されるからです。
モデリングの世界をデータ以外にも広げて考えると、「こと」はデータとして表現することもできますが、振る舞いとして表現することもできます。分析の目的や視点によって、どちらで記述すべきか迷うことがあるかもしれません。逆の見方で言えば、概念データモデリングの視点では、データとして記録を残す「こと」に意識を集中します。記録とは関係ない「こと」はビジネスの世界にも沢山ありますが、モデリングの対象にしないのです。
※オカレンス=インスタンス

黒澤 基博