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新人コンサル育成その3

その3:「作業に埋没しない。意味を考える」

新人コンサルができる仕事はそれほど多くありません。最初は、議事録の清書や先輩コンサルが作成した成果物の要約版作成など、非常に限られています。

ある新人コンサルに業務アプリケーション構成図の要約版作成を依頼したときのことです。
詳細な業務アプリケーション構成図を見ながら、一生懸命要約版を作っています。
しばらくしてから、その業務アプリケーション構成図の怪しい点について、新人コンサルに質問しました。ここで言う怪しい点とは、当初のヒアリングで充分に事実を聞き出せていないために図が間違っているかもしれない点、または、図が合っているとすれば業務アプリケーションの構造そのものに問題がある点を指します。その新人コンサルは、あやしい点に気がつかず、素通りしていました。
また、別なタイミングでは、「abc事業で受注出荷業務をカバーしているのは○○システムだったけれど、xyz事業で受注出荷業務をカバーしているのは△△システムになっている。なぜ同じ○○システムにならないの?」と聞くと、「そう言われてみると不思議ですね。気がつきませんでした」との応え。
これでは何のために作業を任せているのかわかりません。

形式的に見れば一度作成したものの清書や書き直しをお願いしていますが、何も考えずに書き直ししていたのでは進歩がありません。我々は、新人コンサルに対して、仕事をしながら自分なりの気づきや発見を期待しているのです。
たとえば、

  • もし、この成果物をゼロから自分が作成するとした場合、どのように着想するのか?
    どのように業務アプリケーション単位を見つけ出すのか?
  • 業務アプリケーションの守備範囲が違うところは、なぜそうなったのか?
  • 業務アプリケーション構成図で空白になった部分は、ヒアリングミスか?
    それとも業務アプリケーションがそもそも存在しないのか?
    あるいは業務そのものがその事業では存在しないのか?
  • abc事業とxyz事業は基本的には同じ性質の物を売っているはずなのに、なぜ業務によって同じシステムを使ったり、異なるシステムを使ったり、差がでるのだろうか?
  • 遠くから業務アプリケーション構成図を見るとabc事業とxyz事業は相似形に見えるのでは?

新人コンサルは、作業を任されたとき、機械的な形式作業に陥ることなく、たえず意味を考える習慣をつけなければなりません。
「指摘されるのではなく自分で気がつく」このことが、コンサルの素養として重要だからです。「なぜそうなっているのか」「どのように着想するのか」いつも自分の中で問い続けるのです。

黒澤 基博