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日常生活におけるデータ活用 ~健康診断編~(後編)

今月のメルマガは日常生活におけるデータ活用の後編ということで、引き続き、健診データの活用方法についての考察をお届けいたします。

前回は健診データから得られる簡単な気づきについて考えてみましたが、今回はより多くのデータを取り扱う健康保険組合の例を参考に、個人レベルでもデータ活用が可能か考えてみたいと思います。

まず、健康保険組合で取り扱われるデータを見てみましょう。主なものは次の3つです。一つ目は、先月号で取り上げた健診データです。二つ目は、病院や診療所、調剤薬局等の保険医療機関から医療保険者への診療報酬請求で用いられる診療報酬明細書データ(いわゆるレセプトデータ)です。この診療報酬明細書には、データを活用する上で有用な情報が多数含まれています。例えば、保健医療機関を利用した加入者を特定する情報(医療保険者番号、保険証の記号・番号、本人・家族区分、氏名、生年月日、性別など)です。他には、診療した医療機関の番号と医師名、診療対象の傷病名(風邪なら急性上気道炎、盲腸であれば虫垂炎など)、あるいは診断や処置等の診療行為や調剤薬局等で処方された医薬品の名称とその点数(1点=10円)などが含まれます。病気を防ぐ目的で行われる健康診断とは異なり、レセプトデータからは発病後にどのような治療を受けているのかを知ることができます。つまり、健診データとレセプトデータがあれば、”原因”と”結果”を結びつけることが可能になるのです。三つ目は、健康保険組合の加入者台帳です。この加入者台帳では主に被保険者と被扶養者の個人識別情報が管理されています。つまり、前述の”原因”と”結果”を”個人”に結びつけるためのキー情報ですね。また、それは統計解析をする上で重要な母数を知るための基本情報になります。健康保険組合ではこれらのデータを使い、生活習慣の改善や医療機関への受診を促す対象者を選定して保健指導を行い、その結果を継続的にウォッチしたり、処方された先発医薬品のジェネリック医薬品への切り替えを促す差額通知を出したりするなど、加入者の健康維持・推進と医療費の削減に役立てています。これらは多くの加入者を抱える健康保険組合ならではの取り組みと言えます。

さてここからはどうすれば個人レベルでもデータ活用が可能か考えてみたいと思います。まずデータを活用するためには、必要なデータが欠落無く揃っている必要があります。それを見える化し、気づきを得て、日々のアクションにつなげるのが基本形でしょう。例えば、筆者は紙でもらった健康診断結果を、10年前から趣味のようにコツコツとExcelに入力して管理しています。そうして蓄積したデータを折れ線グラフにして、長期の傾向をより分かりやすく”見える化”しています。尿酸値を例にとって見てみると10年間ずっと基準値の下限を下回っています。高尿酸血症と痛風の因果関係はよく知られていますが、低すぎる尿酸値も急性腎不全や尿路結石を引き起こす恐れがあり、最初の頃は下がりすぎないように気を付けていました。しかし、これまで一度も低尿酸血症と呼ばれる範囲までは下がっていないことや、若い頃から同じ傾向が続いていることもあり、今では気にしすぎる必要は無いと判断しています。簡単な例でしたが、健康診断の結果は個人の体質なども少なからず影響するため、長期の傾向を知ることが健康診断データ活用の第一歩になるのではないかと考えます。それにより、健診結果に問題が無かったとしても、自らの”変化”に気が付くことができ、生活習慣の改善などの新たな行動変容に繋げることができるのではないでしょうか。

さて、今年最後のメルマガはいかがだったでしょうか。年末年始は美味しい食事やお酒を飲み食いする機会が増えてしまいがちですが、私自身も食べたら運動を心掛けたいと思います。それでは健康的な新年をお迎えください。

データ総研 コンサルタント