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概念モデルの重要性

新聞に「地方自治体のシステムをクラウドコンピューティングで提供します」といった記事がでるように、最近、クラウドコンピューティングがはやりです。自分でハードウェア・ネットワーク・ミドルウェア・業務アプリケーションを買いそろえることもなく、ほしい機能を安価に借りることができます。

ある意味で、この種の調達コストは、10年・20年前と比較すると劇的に向上し、費用に対する生産性は10倍・100倍になったと言えるでしょう。

一方で、従来と比較して、グループ企業での情報統合や共同利用型の情報システムが増え、複雑性が極端に増しています。10年・20年経過しても、いっこうに改善されていない分野が、このような複雑で広範囲の情報システムを構築する際の人と人とのコミュニケーションの問題です。

異なる企業・異なる利用部門の担当者どうし、あるいは情報要求を出す人とそれを受け取って設計する人、情報要求をまとめて外の会社に発注する人とそれを受け取る人、これらの人達が誤解無くコミュニケーションすることがいかに難しいか、経験のあるみなさんならよくご存じだと思います。

情報システム構築のシーンで言えば、複数の販売システムから出てくる売上金額を合計して、グループ全体の売上金額を計算する際、A社の売上金額とB社の売上金額の意味が同じか違うかという問題です。

言葉の定義の問題といえばそれまでですが、人は自分が使っている言葉が意味すること-すなわち概念-から逃れられない性質を持っているので、複数の人達がコミュニケーションする際に、コミュニケーション品質の悪さが顕在化します。

情報システムを一般の建築物や製造物と同様に考えると、ある種の図面が必要と言われています。業務フロー図やデータモデル図がそういった図面に相当しますが、これらの図面の中に関わるものが何を表現するかが重要です。

情報システムは一般の建築物や製造物と違って、目に見える物や部品を組み立てるわけではありません。ある情報システムで扱う業務の1つとして、「販売」という出来事があるね(これは1つの概念です)、売上金額が発生するね(これも1つの概念です)と認識し、これらのデータあるいは情報を扱う機能を設計・実装するわけです。すなわち、情報システムは、業務を構成する概念を積み上げて出来上がる製造物ととらえることができます。「概念」を理解するのが難しければ、業務を構成する言葉の定義を積み上げると言い換えても良いでしょう。

20年以上も向上していないコミュニケーション品質を改善するためには、業務を構成する概念を可視化し、関係者間で共通認識することが重要です。従来よりも10倍・100倍と生産性を高められる領域が、システム開発の分野にも、まだ残っているということです。(100倍はちょっと言いすぎかもしれません)

※ちなみに「ことば」とそれが意味するところである「概念」についての考察を深めるために、弊社のコンサルタントにはソシュールの言語学を勉強してもらっています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%8B%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%82%B7%E3%83%8B%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%A8

データ総研 コンサルタント