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株価の動きを予測する

世の中に溢れるさまざまな情報を分析して、株価を予測することができれば大きな利益を得られます。30年前のある論文では次のような研究がされています。

新聞に掲載される情報が企業の株価にどのように影響するかを分析します。たとえば、次のように。
・分析の対象企業20社を選択します。
・分析対象の情報は、個別企業に関わる情報と社会全般の情報に大別できます。
 個別企業情報・・・業績、新商品開発、人事・組織、業務提携、対外関係(訴訟問題など)
 社会全般情報・・・政治、経済情勢、国外情勢
・これらの情報が新聞紙上に掲載されたのち、株価がどのように推移したのか観測します。情報が出る前の株価と後の株価を比較することによって、その影響度を測定できます。
・情報の種類と株価の上げ下げの関係を明らかにします。その企業の株価にもっとも影響を与える情報の種類が明らかになります。

さて、簡単に影響度分析のやり方を説明しましたが、これを実行するためにはいくつかの工夫が必要です。情報が個別の株価に影響を与える際の特殊性を明らかにしたいからです。

ある情報が出たとき、ほぼすべての企業の株価が上がったとすると、その情報は個別の企業にとって特別な値動きを与えるものではないと判断できます。この場合、どの株を購入しても利益が出ることになります。最近の例で言えば、「アメリカの金融政策で、量的緩和策を当面継続する」といったニュースが流れた時に、市場の警戒感が薄れほとんどの株価が上がりました。

より大きな利益を得るためには、ほとんどの株価が上昇する局面でも、上昇度の高い銘柄を選ぶ必要があります。すなわち、ダウ平均株価の上昇度と個別企業の上昇度を比較して、より上昇度の高い業種や企業を見つけ出すのです。

また、情報が出るタイミングはさまざまですが、経済情勢に関する情報が出るタイミングと個別企業の業績見通しが出るタイミングが同じ場合、どちらの情報がどの程度株価に影響したのか見極めることは難しいものです。こういったときも、ダウ平均株価の変化率と個別企業の変化率を比較すればある程度の影響度合いを把握できます。

このような傾向を把握する道具の1つとして、回帰分析があります。ダウ平均株価の変化率をX軸、個別企業株価の変化率をY軸にとり、対象20社の一定期間における観測点の集合から回帰直線を求めます。その直線より上側に観測点があれば、当該企業の株価が市場全体の値動きよりも、大きく反応したことになり、当該情報の影響度合が強いことがわかります。

正直に申し上げると、今回の話題は私が30年前に作成した卒業論文の内容です。当時は、どのような情報が発信されたかを調べるために、数種類の新聞をすべて読み、対象となる情報に色をつけて、別紙に書きだすといった作業が必要でした。数名のチームでこの調査を実施しましたが、膨大な時間を要しています。

現在は、便利な道具があるため、これらのテキストデータを特定の文字列で検索することが容易になりました。情報が株価に与える影響そのものを深く分析することに、より多くの時間を使えるようになりました。

最近、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のデータを使って株価を予測するといった記事を見かけましたが、30年前の手法よりもずっと進化することでしょう。ビッグデータ活用の事例が多く生み出される、まさにその真っ只中に我々はいるのだろうと感じます。

データ総研 コンサルタント