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本物のデータモデルを追求する

今年はデータ総研の創立30周年の年ということで、この30年どのようにデータモデルに関するナレッジを蓄積してきたかについて振り返ってみます。

我々は創立間もない段階からデータモデルの一般形や作業の進め方などをノウハウスリップというドキュメントに記述し、月に1回実施しているテクニカルミーティングで議論するという形式で、見識を深めてきました。外部に公開できるレベルになったノウハウスリップは、SKH(セレクテッドノウハウレポート)として年2回お客様に向けて発行しています。最初のSKHは1988年に発行されており、いまもなお年2回発行しつづけています。

データモデルの一般形に関するSKHは、NO12「人事システムの概念DB構造基本パターン」が最初で1988年に発行されています。以後、多くの業務別/業界別の基本パターンや部分的に表れる本質的なパターン(物流と受払、取引、プライスリスト、BOMなど)を紹介してきました。

今回は一例としてプライスリストというデータモデルパターンをご紹介します。すでに「ITアーキテクト黒澤の日記」というDRIブログに記述していますが、概略は次のようなものです。

プライスリストは[プライス番号]-(単価)といった単純な構造です。単価以外の従属データ項目は、業種によって異なりますが、顧客のタイプコード、顧客コード、商品のタイプコード、商品コード、商品の提供方法コード、代金の決済方法コードなどです。

実際に現状業務を分析してみると、単価はさまざまな識別子で決まります。
[商品コード]:商品で単価が決まる単純なケース
[商品コード、顧客タイプコード]:卸会社、消費者など顧客タイプによって単価を変えるケース
[商品タイプコード]:赤色のシャツ、黄色のシャツごとに商品コードが発番されているが、それらをくくった商品タイプ(シャツ)で単価を決めているケース
[商品コード、販売数ランク]:100個以上、300個以上などボリュームディスカウントを考慮したケース
[商品コード、販売チャネル]:店頭売りとネット売りで単価を変えるケース
[契約番号、商品コード]:取引条件が複雑で、契約の都度単価を決めるケース
これ以外にも多くの事例を紹介することができますが、きりがないのでここでやめておきます。

「単価がどういった識別子で決まるか」を知ることはビジネスのやり方そのものを深く知ることでもあります。[商品コード]で単価を決められるビジネスは、その背景が安定的で単純です。たとえば、店頭に商品を置き、消費者が少量の商品を買い、現金またはカードで決済するビジネスです。卸売と消費者売りが混じることもなく、顧客の指定する場所に時刻指定で納品することもないビジネスです。

我々がプライスリストのパターンを知っていたからといって、すべてのプロジェクトでこのパターンを「TOBE構造としてベストなもの」と推奨するわけではありません。その会社が置かれているビジネス状況や今後の事業がどういった方向で発展するかを見極めて、最適と思われるデータ構造を提案しています。ビジネスの複雑性と発展性にあったデータ構造がもっとも良いTOBE構造だと思うからです。このような提案ができるのも、単にデータモデルパターンを勉強したのではなく多くの業種・業務においてこの30年間のビジネス変化とデータモデルの進化を知っているからだと思っています。

現在、データ総研としては業務別の基本データモデルや本質的なデータモデルパターンはメタニカという商標のもとで維持しております。皆様へは「業務知識とデータモデルパターン」という教育コースでご紹介しております。

最近は新規業務設計を実施できる人財を育成したいという問い合わせやご依頼が増えております。そのなかでデータモデルパターンを学ぶことも1つの解決策になっています。年月をかけて発展してきたデータモデルパターンと自社のデータ構造を比較することによって課題抽出の視点が得られるからです。このようにデータモデルパターンは人財育成や業務改善にも役立っています。

データ総研 コンサルタント