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改良されるべきエンタープライズアーキテクチャフレームワーク

約10年ほど前に日本国内でエンタープライズアーキテクチャ(以下EAと略)が流行しましたが、最近はあまり大きな記事として取り上げられません。しかし、地道に実施している企業は比較的多いと感じます。

当時いろいろな企業でEAコンサルタントが指導したのは、EAフレームワークの導入およびカスタマイズです。膨大な量のASISドキュメント・TOBEドキュメントを作成し、移行計画書を作成しようとしたのです。フレームワークに忠実なEAを実施しようとしてあまりにも多種・大量の資料を作成することになり、途中でとん挫した取組みも多かったと記憶しています。

あるいはCIOがほかの人に替わったとたん中止になったEAの取組みもありました。「優先的に実施することがEAのほかにあるから」というのがもっぱらの理由です。別な言い方をすれば、長期視点の全体最適化プログラムよりも、短期視点で効果を出しやすいプロジェクトを選んだということです。本来的にはこのような形で天秤にかける性質のものではないのですが、お財布とキーマンが取り合いになるので、そういった判断になりがちです。

3年かけて徹底的にASISの可視化と冗長性・無駄の削除に取り組んだ企業があります。30%以上のITコスト削減を実現し、経営者から高く評価されています。しかし、TOBEはきちんと実施していませんし、移行計画書もありません。「本当のEA(=フレームワークに忠実なEA)を実施したのか」と問われれば、我流のEAです。しかし、効果をきちんと出し経営陣から信頼されています。

また別な会社では、やはり3年ほどかけてTOBEアーキテクチャを策定しました。事業戦略に即した情報システム構造にすることにより、事業そのものを支援できることをめざしています。また同時に、情報システム全体を30%スリム化し、コスト面でも貢献するシナリオになっています。ただし、ASISの可視化をきちんと実施しているかといえばNOです。フレームワークに忠実でないEAが、ここでも実施され継続しています。

途中でとん挫するEAフレームワークに忠実な取組みと、結果を出し評価されるけれど我流の取組みのどちらが良いのでしょうか?企業で実施する取組みである限り、やはり結果を出し評価されるEAが選ばれるべきと思います。

そういった意味では、EAのフレームワークはもっとビジネス的な効果が見えるものに改良されるべきなのです。「データセントリックアーキテクチャ」を執筆してから10年が経過し、もっと実践的なEAフレームワークを考えているところです。

P.S.
ザックマン氏の言うEAを実践している企業は多くないでしょう。すなわち、エンタープライズそのものをエンジニアリングで構築する活動です。我々のコンテクストは、情報システム(=コンピュータシステムではない)の全体最適化に閉じていますから。

データ総研 コンサルタント