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データマネジメントの意義その6 製造業の与信管理

日本の製造業は、多くの場合、商品を納品し一定期間経過後に代金を回収する掛け売りのビジネスを営んでいます。取引を始める際に、保証金を顧客(卸売業者など)から預り、一定量まで掛け売りができるようにしておきます。代金が回収できないまま、何度も出荷していると、そのうち出荷金額の合計が与信限度額を超えます。与信限度額を超えた後は、それ以上出荷しない業務ルールになっている企業がほとんどです。つまり、これ以上注文を受け付けないようにチェックがかかるなど、予防策が存在します。理由は顧客企業の倒産などによって代金が未回収になるリスクをコントロールするためです。これが与信管理業務です。

与信管理の歴史は古く、きちんと実施できている製造業がほとんどですが、これがグループ企業の範囲になると、状況は変わってきます。最近は、全体最適化の一環としてグループ企業におけるリアルタイムの与信管理が求められています。

あるグループ内に3つの企業があり、それぞれが同じ顧客と取引していたとすれば、1企業だけが取引している場合よりも3倍注意して与信管理しなければなりません。倒産したときの影響が大きいからです。

3企業の出荷金額合計とグループとして設定した与信限度額を比較し、必要なタイミングで顧客からの受注をストップする処理が求められますが、このためにはグループ企業用の与信管理システムを構築する必要があります。また、単にコンピュータシステムでいくつかの対象データを統合するのみならず、グループ内での与信管理の考え方を整理しなければなりません。

たとえば、与信限度額の設定と与信枠の使い方について考えてみましょう。いままで3社別々に与信限度額を設定していたわけですが、この3つの数値を合計したものをグループの与信限度額として良いのでしょうか?場合によると、対象顧客の体力からすれば、この合計値よりも低い値に与信限度額を変更する必要が出てくるでしょう。

一方で、3企業のうちの1つが、グループの与信限度額ぎりぎりまで受注してしまうと、他の2社が同じ顧客から受注することができなくなります。そのため、与信限度額をどのように3社で分けて使うべきかのルールが必要です。この業務は与信枠管理と呼ばれることがあります。

グループの与信管理システムを構築する前提として、3社が同じ顧客IDを使う必要があります。1つの顧客に関する出荷額や入金額、与信限度額を集約して可視化するためです。当然ながら、グループ内でのマスタデータマネジメントが機能していなければなりません。

最近はグループでの与信限度額を再設定する際に、顧客企業単独で信用を評価するのではなく、顧客企業の親会社や依存度の高い取引先まで含めて評価するようになりました。与信管理はグループ対グループの時代になった、ということかもしれません。

データ総研 コンサルタント