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データマネジメントの意義その5 通信業のMDM

先日、母が携帯電話を水槽の中に落としてしまいました。もちろん母の携帯電話は使えなくなったのですが、家族契約で貯まっていたポイントを使い、無料で新品と交換できました。おそらく母だけの単独契約では、無料交換が可能なほどポイントが貯まっていなかったと思います。店員さんの勧めに応じて家族契約にしていたので、家内や子供が貯めたポイントも合算され、無料交換が可能になったのでしょう。すばらしいサービスだと感動した一方で、それなりの時間待たされたことを覚えています。もっとスピーディであれば、パーフェクトな対応でした。

店頭に来たお客さまの質問に応え、より良いサービスを提供するためには、顧客との関わりをすべて知っていなければなりません。
・どのような契約を結んでいるか
・何らかの不満をコールセンターに電話してきたか
・事故などの影響で通話ができない時間帯があったか
・請求に対して、入金が遅れているか
・家族の利用状況は?
これらの情報を見るためには、契約システム、コールセンターシステム、設備事故管理システム、請求システム、顧客管理システムなど複数のシステムを使ってデータを検索することになります。

しかし、お客さまが窓口にいらっしゃるときに、複数システムの画面を使って情報照会するには限界があります。望ましい姿は、顧客IDあるいは電話番号を一回入力するだけで、上記の情報が集約され1画面で見れることです。これを実現するためには、業務をまたがって共通利用できる顧客IDが必要となり、また、その顧客IDを関係するすべてのトランザクションデータに埋め込むデータガバナンスが重要です。その業務はまさにマスタデータマネジメントそのものです。通信業の世界では、顧客に関わるマスタデータマネジメントは、差別化や新サービス提供における最重要課題となっています。

海外の文献を調査していると、最近いたるところで「多様化する顧客接点への対応」「シングルカスタマービューの実現」といった記述を見かけます。従来から存在した社内のデータに限らず、SNSやカードの購入履歴なども統合したデータが見たいというわけです。一方で、「Churn Model」「Attrition Model」といった記述も多く見ることができます。通信業では顧客契約の解約率が1つの経営指標になっており、CRM業務が機能しているかどうかをこれによって評価しているからです。

最近は小売業のオムニチャネルが注目されていますが、顧客IDで情報を束ねてクロスセルなどに活かす方法は、ずっと以前から実施されていました。業界横断的に先進事例を観察していると、競合他社よりも一歩先を行くことができます。多様化する顧客接点を統合し、顧客の好みや動向を把握するために顧客エンティティを中心としたMDMは今後ますます進化します。マスタデータ管理チームの活躍が期待されています。

データ総研 コンサルタント