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データマネジメントの意義その4 束ねる構造を見つけ出せ

今回は「束ねる構造を見つけると、業務改善につながる」というお話です。

顧客マスタには、さまざまなロールと粒度のお客様が登録されています。ロールというのは、そのお客様が演じる役割のことです。いくつか具体的に例示すると次のようになります。
製造業:受注先、出荷先、請求先、債権管理先
通信業:契約者、利用者、請求先
建設業:引合先、注文主、設計事務所
一方で、粒度というのは、企業・事業所・部課・個人といった粗さ細かさを表します。

顧客マスタは、これらの管理対象が入り混じって登録されていることが多く、また、厳密に言えば同じお客様を複数レコードで管理しています。なぜならば、顧客マスタは販売取引の条件を表すデータも保持するため、異なる販売条件を登録したい場合、同じお客様が何行も登録されることになるからです。たとえば、A事業のA商品を販売する場合とB事業のB商品を販売する場合では、もともとの事業が異なるため、同じ販売先に対して2行の顧客レコードが登録されることになります。あるいは、同じA商品を販売するにしても「東京本社と九州支社で同じ販売先を別々に登録してしまった」という例もあります。「商品を輸送するためのコストが異なるから別にした」など理解できる理由が存在する場合もあれば、単なる不注意で2重登録してしまった場合もあるでしょう。いずれにしても、日本の場合、顧客マスタは純粋なWhoではなく、顧客別販売条件管理マスタと言い換えても良いでしょう。

さて、同じお客様が販売条件の違いによって複数行登録されているとした場合、いくつかの「束ねる構造」を見つけることができます。

例1)複数のお客様を同じ出荷先で束ねる構造
この構造を使えば、複数のお客様に個々に出荷していたものを1回の出荷に束ねることができます。つまり、手間やコストの削減に直結するのです。

例2)複数の受注先を1つの請求先に束ねる構造
この構造を使えば、受注先ごとに個別に出していた請求書を1つにまとめ、請求書作成の手間や郵送費の削減につながります。

例3)複数の利用者を1つの契約者または請求先に束ねる構造
この構造を使えば、大口割引の提案や契約離脱の回避など差別化の施策を打ち出せます。

このように束ねる例を列挙するときりがありません。マスタデータマネジメントのメリットは、このような「束ねる構造」が業務改善に直結することです。一方で、この関係性を知らない人にとっては、マスタデータマネジメントはやっかいな仕事として認識されてしまいます。マスタ統合や登録データのクレンジングなど工数がかかることばかりに目がいってしまうからです。

ばらばらのマスタデータを統合し、登録されているデータ値をクレンジングすることによってもたらされる業務的価値は、非常に高いのです。皆様の会社でも「束ねる構造」を見つけましょう。新しい業務改善のネタがそこに隠れているかもしれません。

データ総研 コンサルタント