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データクオリティマネジメント

DMBOKの10のデータマネジメント機能の1つになっているデータクオリティマネジメントが本日のテーマです。

正直なところ、日本においては、データクオリティマネジメントがそれほど普及している状況ではないと認識しています。そこで、今回は「データクオリティマネジメントとは何をすることか」を初心者向けに説明しようと思います。

話しをわかりやすく進めるために、データクオリティマネジメントが必要となる典型的な困りごとを想定します。

ある製造業のグループ経営において、顧客に対する与信限度管理をグループ全体で最適化したい会社があると想定します。従来は各社バラバラに与信限度管理を実施していましたが、今後は個社ごとの売掛債権をグループで合計し、グループで設定した与信限度額を使って販売可否を評価する方式にします。

一般に、グループ各社は顧客を認識する際に、それぞれが持っている販売システムで個別の顧客KEYをつくっています。したがって、グループ全体で1つの顧客を共通認識するための顧客IDを新たに設置し、これを収集対象の販売データに付加してもらう方式とします。グループ共通の顧客IDが正しく設定されていれば、瞬時に各社の販売データをサマリーし、与信限度額を超えているかどうか評価できます。

このケースにおけるデータクオリティ上の困りごとは、正しく付加すべき顧客IDが誤っていたり、空白だったために、グループでの与信限度管理が機能しなくなることです。最悪の場合、ある顧客が与信限度額を大幅に超えていたことに気付かないまま売掛販売を続け、その会社が倒産した場合にグループ全体で大きな損害を被ります。

さて、ここからが本題ですが、各社で販売データを入力する営業マンにとってグループ共通の顧客IDはそれほど重要ではないデータに感じます。つまり、日常の業務を実施していく上では、自社の販売システムが正常に機能すれば良く、グループ共通の顧客IDが未入力あるいは誤った値が入っていても困らないからです。これが後日データクオリティの問題として、顕在化することになります。

こういった状況を改善するために、データクオリティマネジメントに取り組むわけですが、実施すべきアクティビティには次のようなものがあります。

1.データクオリティマネジメントを実施する業務領域の特定
 ・業務的なニーズや困りごとを把握し、対象領域を決めます。

2.現状分析
 ・実際のデータクオリティをアセスメントします。
 ・上記の例では、顧客ID、売掛残高、販売金額、販売年月日、決済種別などが正しい値かどうかを把握・評価します。

3.業務への影響度把握
 ・現時点のデータクオリティであった場合、最悪どの程度の損害が発生しうるか試算します。
  あるいは、データクオリティを改善した場合、現在被っている損害がどの程度改善するか試算します。

4.解決策の策定
 ・問題の発生源を明らかにし、改善策を検討します。
 ・たとえば、
  「顧客IDを未入力にした場合エラーとするようにプログラムを改修する」
  「顧客IDを入力した後、他の担当者が正しい値であることを確認する」
  などが考えられます。

5.第一弾の改善実施
 ・現時点で投入できる範囲の工数・金額でデータクオリティを改善します。

6.データクオリティ改善のための統制
 ・データクオリティを改善するためのルーチンワークを決め、それを守らせるように統制担当者がチェックします。
 ・必要に応じて、データクオリティ規約を作成し、担当者に配布・説明します。

7.データクオリティ改善のPDCAサイクルを再検討
 ・一定期間改善活動を実施した後、これまでの活動内容を見直しさらに洗練されたレベルのデータクオリティ改善活動につなげます。

データクオリティマネジメントに関する主なアクティビティの説明は以上です。日本が、データクオリティマネジメントの取組みに関して非常に遅れているように感じる一方で、進んでいるはずの海外のデータがなぜこれほどまでに汚いのか疑問に思うこともあります。

国民性なのかもしれませんが、データクオリティに関する規約がなくても、日本人はきちんと正しいデータを入力しているということでしょう。データクオリティ問題が顕在化している日本企業の多くは、グローバル企業だということも認識しておかねばなりません。

データ総研 コンサルタント