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チーフデータオフィサー(CDO)その2

9月29日の日経新聞に「データ責任者ポストを新設 三菱UFJ」という記事が載っていました。

この記事によると、三菱UFJでは、経営の重要データを集めて分析する責任者「チーフ・データ・オフィサー」のポストを10月1日付で設置するようです。今回のデータマネジメント通信は、日本の一般企業においても認識されてきたCDOの役割・責任について話します。

昨年の6月にもCDOについて書きましたが、その際はネット企業のCDOを中心に説明しました。ネット企業では、ブログやアクセスログから顧客の好みや傾向を分析することが重要なデータ活用と考えられ、その責任者がCDOというわけです。ちなみに最近はデータ解析の責任者としてCAO(チーフ・アナリティクス・オフィサー)というポストも登場しています。

一方で、金融機関の場合には同じCDOといっても役割が微妙に違っています。ネット企業のCDOと同様にデータから仕事に役立つ洞察を得ることも役割の一つですが、データセキュリティやデータクオリティなどに関しても大きな責任を持っています。

たとえば、バーゼル対応では貸付債権のリスクをより細かく正確に評価できることが求められています。仮に、その評価に誤りがあって貸付金の回収ができず自己資本が規定の水準を下回れば、国際的な金融取引ができない状況になることも考えられるのです。金融機関は、自分のリスク評価が正しいことを、金融庁などの査察官に説明する責任があります。当然説明のための資料を準備することになりますが、その資料を使って現在の状況を説明する際に、その資料そのものが不正なく作成されていることも説明しなければなりません。通常のDWHで作成したレポートでは、資料の作成過程に不正がないことまで説明できませんから、別途そういったことが確認できる環境を用意しなければなりません。

また、いま話題になっている金融所得課税の一体化については、複数の金融商品をまたがる顧客名寄せが正しくできなければなりません。このようなデータ統合や統合結果のデータクオリティについてはCDOの役割・責任となります。

DAMA-DMBOKには残念ながらCDOの役割・責任が定義されていません。そのかわり「The Case for the Chief Data Officer(Pete Aiken ,Michael Gorman)」に記述されているCDOの役割をご紹介します。
1)CDOの立ち位置
 ・CDOはCIOの配下に位置づくのではなく並列の関係で、経営トップに直接報告する立場にある。
 ・CIOと連携するのではなく、ビジネスメンバと連携する。
2)CDOの主な役割
 ・ビジネスの最優先事項に対して最大限の支援をするために、複数のプログラムに渡って組織のデータアーキテクチャを策定し導く
 ・ビジネス変化の要求に応じることのできる、最適で柔軟なデータ配信網を持つことを保証する
 ・資産としてのデータ維持に責任を持つ特定の人員を割り当て、彼らがデータスチュワードと連携してゴールを達成することを支援する
 ・継続的に、データベース技術、ヴァーチャライゼーション、サービスなどを含んだデータ配信システムの効果を改善する
 ・リアルな資産とメタデータ資産の一致と、アーキテクチャをガバナンスする

本来的にはDAMA-DMBOKで紹介されている10のデータ管理機能すべてを遂行する責任があるのですが、全データ機能を同時に整備することはできません。したがって、自分の企業が優先的に実施すべきデータ管理機能を選び、順次整備していくことになります。

CIOが情報システムのインフラやアプリケーションの整備によってビジネスに貢献する役割であるのに対し、CDOはデータを資産として管理しビジネスを駆動することに貢献する役割を担うのです。

データ総研 コンサルタント